マタニティ栄養指南 ─ 授乳期
2022/12/22 栄養士 張佩蓉
懐妊後から授乳期まで
産後から母体の生殖器官が正常に戻るまでの期間、いわゆる産褥の期間で、産後約42日間は、身体の陰陽の気血が消耗している状態であり、この時期には栄養分を十分にとる必要があります。どのように栄養分を取るかは、じつはかなり奥深いです!一般に産後の10日間は、体内から悪露(おろ)が排出される段階です。この時期は適量の生化湯(漢方の一種)を服用すると血液の浄化や悪露の排出に役立ちます。約10日くらいで悪露の排出量が徐々に少なくなると、栄養のあるものを取り始めます。例えば豚の腎臓、豚レバーなど、杜仲(漢方薬)を入れれば、産後の腰や背の痛みを和らげ、肝臓や腎臓の調子を整え、筋骨を強くする作用があります。また、燕の巣は温和で滋養に優れた食材で、体質を調える効果があり、産後の回復期における免疫力の維持にとても有効です。約2週間後、産道と傷口が元に戻れば、お酒を使った料理も食べることができます。例えば「麻油鶏(ごま油風味の鶏スープ)」などです。
全体的には、産褥の期間はなるべく「少ない量で回数を多く」します。毎日約5-6食にし、消化の良いもの、あっさりしたものをメインにします。できるだけ「食べ物と飲み物」「肉と野菜」を組み合わせましょう。栄養を補う点では、以下の五大原則を参考にしてください。:
1、 十分なカロリー
─分娩から身体状況の回復までにはエネルギーが必要です。そのため、十分なカロリーを与えることが回復の助けになります。また、母乳の分泌もエネルギーが必要であり、一般的には授乳によって毎日500~600キロカロリーを余分に消費します。このほか、母乳の栄養価値は他の乳製品よりもずっと高いため、できるだけ母乳で育てるようにしましょう。そうすることで、身体の回復と、赤ちゃんの成長発育にも有益です。
母乳促進&母乳抑制食物 | |
母乳促進の植物 |
スズキ、ハマグリ、豆乳、青パパイヤ、落花生、ごま、黒麦汁、当帰、ナツメ、黄耆、麦門冬、通草、竜眼 |
母乳抑制の植物 | ニラ、生麦芽、麦茶、人参 |
2、 傷口を癒やす栄養素─
自然分娩か帝王切開かに関わらず、産後の産道や傷口の回復はとても重要な課題です。燕の巣には多種類のアミノ酸が含まれ、特有のタンパク質活性分子と上皮成長因子が細胞分裂と再生を促し、傷のついた組織を素早く修復し、傷口の治癒を早めます。修復を早めるだけでなく、身体組織の合成原料であるタンパク質をより多く摂取することも大切です。低脂肪で生物価の高い上質の蛋白質をメインにします。例えばスズキ、鶏肉、赤肉、卵、ミルク等です。傷口修復と同時に、余分な油分やコレステロールを減少させるメリットもあります。授乳期のお母さんであれば、蛋白質には母乳の質と量を高める作用もありますよ!
3、 補血の食物を摂取
─ 妊娠中はカルシウムを消耗し、分娩時には大量の失血があります。また授乳期にも鉄分が失われます。そのため、血液を補う栄養素が必要です。 :
補血栄養素 | 食物來源 |
鉄分 |
豚の血、豚レバー、赤肉、魚、龍眼、干し葡萄、緑黄色野菜 |
葉酸 | レバー、緑黄色野菜、果実類 |
ビタミンB12 | レバー、魚、赤肉、卵、ホットミルク |
ビタミンB6 | 穀類、ジャガイモ、ホットミルク、モツ類 |
4、 適宜に野菜を取る
─ 一般的に、野菜は冷たい食物属しますが、多くの栄養素を取ることができ、腸の健康を促進することができるので、適宜に摂取することが必要です。属性のおだやかな野菜、例えばインゲン豆、エンドウ豆、キャベツ、カリフラワー、白菜、カラシナ、シイタケ、キクラゲ、リンゴ、ブドウ、パパイヤ、サクランボ、グァバ等です。また、野菜や果物のビタミンCは鉄の吸収を促しますので、食事後にビタミンCを多く含むグァバやオレンジを食べるのも良いでしょう。
5、 適量の水分補充
─ 分娩での体液や羊水の流失、それに身体の循環代謝には水分の補充が必要です。もし授乳を行うお母さんなら、母乳のためにも水分が必要となります。毎日、お湯や水を飲まなければなりませんが、冷たい水は飲まないようにしてください。また、水分を取るときには,少しずつ飲み、一度にたくさん飲まないようにしてください。
※栄養アドバイス!
もし帝王切開の場合、傷口が癒えるまで時間がかかります。そのため、料理に「アルコール」が使われている場合は特に注意が必要です。子宮の収縮や傷口の回復、母乳の分泌に影響が出る恐れがあります。もし栄養食を取る場合でも、必ずアルコールを全て飛ばし、傷口を刺激しないようにしましょう。また、栄養食に添加されがちな生姜や酒は「熱」に属する食品なので、取り過ぎると口が渇いたり、眠れなくなったり、或は母乳の分泌に影響がでたりすることもあります。あくまで適量に抑えるようにしてください。
産後は身体の陰陽の気血が大きく損なわれているので、多くの人は栄養を十分に取ろうとします。よく見られるのが「麻油鶏(ごま油風味の鶏スープ)」です。しかし、これにはアルコールが入っているので、子宮の収縮に影響し、大量の悪露が排出され、傷口の修復や母乳の分泌にも影響が出てきます。産後2週間は、アルコールの入った栄養食は避けたほうがよいでしょう。もし食べる場合でも、傷口が悪化しないよう、アルコールを完全に飛ばしてから食べて下さい。このほか、栄養食によく含まれている生姜や酒は「熱」に属する食品なので、取り過ぎると口が渇いたり、眠れなくなったり、或は母乳の分泌に影響がでたりすることもあります。あくまで適量に抑えるようにしてください。。