手術後の食事と栄養について

2022/05/23 前國泰醫院 ─── 栄養士 張佩蓉

【手術後の食事と栄養について】

手術との闘いを経て、患者は精神的にも体力的にも大きな打撃を受けています。このとき、免疫力が比較的低下するので、気をつけなければ他の合併症が出てくる恐れもあります。そのため、手術後における栄養の取り方が非常に大切になります。正しく、十分な栄養を補うことが、早期快復にもつながるのです。

一般的に、手術後は傷口が残ります。深い組織なのか、浅い表皮なのかに関わらず、まずは傷口の早期修復が目標となります。これにより身体的なストレスを減らして自己免疫力を維持できるようにし、体内での炎症反応に対抗したり外からの病原菌を拒んだりして、病状の悪化を防ぐことができます。

組織修復の強い味方

身体組織を作る、最も基本的な原料がたんぱく質であることはよく知られています。ですので、まずはたんぱく質を補充することが大切です。通常、高生物価のたんぱく質、たとえば卵、牛乳、魚、鶏肉、赤身の肉、大豆等は、身体に必須のアミノ酸を提供するだけでなく、吸収率も比較的良いとされています。ここで大切なのは、たんぱく質の補充と同時に、十分なカロリーを摂取することで、たんぱく質の合成が順調に進むということです。

また、そのほかにも組織の修復に不可欠な栄養素があります。例えばビタミンA、B群、Cは、皮膚の上皮細胞やコラーゲンたんぱくとの合成、たんぱく質の代謝補助などと関連します。また、亜鉛、鉄分、、カリウムなどのミネラルは、傷口の癒合や血球の合成、免疫システム面において重要な役割を果たします。そのほか、其他的營養素如アルギニン、オメガ3脂肪酸等も、手術後の修復や免疫調節に効果があるとの研究が出ています。患者さんは、手術後の飲食について、バランスのとれた食事をとる以外に、これらの栄養素が多く含まれる食べ物、例えばツバメの巣、スズキ、各種色の野菜等をとることをお勧めします。

手術後の滋養聖品─燕窩(ツバメの巣)

『本草綱目』に、「燕窩は虚労保養する聖薬である」との記載があります。ツバメの巣には大量のたんぱく質と炭水化物、それに生理機能の調整を助ける微量元素、例えばカルシウム、リン、鉄分、ナトリウム、カリウム、およびその他の栄養分が含まれています。ツバメの巣には50%以上のたんぱく質が含まれ、大量の生物活性蛋白分子があります。それにより、手術後の組織回復の原料となり、更には、ツバメの巣に含まれる表皮生長要素によって組織の修復と再生が高まる作用があります。炭水化物は身体にカロリーを供給しますし、ツバメの巣に含まれる多種類のアミノ酸は、免疫機能の調節に大切な役割を果たします。

※ヒント:手術の種類は数多くあり、手術によって必要となる栄養も変わり、気をつける点も違ってきます。以上述べたことは一般的な手術後における栄養の提案です。もし特別な手術、例えば胃腸の手術などでは、専門の医師または栄養士のアドバイスに従ってください。